社長対談:製造業のDXを「止めない」
スマートファクトリーアプリケーション×無停止型エッジコンピューティングが製造ラインを守る
協業にあたって両社社長の特別対談を実施しました。協業の背景やシナジー効果、市場への貢献について語っていただきました。
会社紹介
松本 日本ストラタステクノロジーは1986年に日本で設立された会社です。それに先立ち1980年に米国の本社がマサチューセッツ州のメイナードというところで設立されました。設立時から無停止型のコンピューターを市場に提供するということでお客様のミッションクリティカルなご要求に応えるということを社是としております。
昨今ではエッジコンピューティングに大変力を入れており、製造業や社会インフラ、そしてヘルスケアなどの分野でより一層我々のソリューションを適応していただけるようなパートナーとのアライアンスを広げている次第です。
日本ストラタステクノロジー株式会社
代表取締役社長
松本芳武 氏
株式会社アイキューブデジタル
代表取締役社長
竹原正治
竹原 アイキューブデジタルは2020年に設立された安川グループのIT会社です。製造業の工場がIT活用・データ活用が非常に重要になってきているということで製造業の工場に向けたデータ活用のソリューションを提供することを目的として設立いたしました。
工場の中は、工程の一つひとつを自動化することが進んでいますが、工程と工程をバラバラに自動化していてもその間をつなぐところが上手くいかないということがあります。我々アイキューブデジタルは、各装置やロボットなどのデータを上手く繋ぎ合わせて工場全体を効率化していくということを進めている会社でございます。
協業に至った背景
―― 今回の協業に至った背景について教えていただけますか
竹原 工場は今まで人の力(レジリエンス)によって、スムーズに製造が進む仕組みを作ってきたのですけれども、その部分をデータ活用しながら自動化・効率化していく仕組みを入れていくと、どうしてもITのシステムがきちんと動くことが前提になってきます。そうするとシステムが何らかのトラブルを起こして止まってしまうと工場のラインが完全にストップしてします。ITが入っていない時代は人の手でどうにかやっていくんですが、効率化することによって逆にシステムが止まっては困るものになってきた、この点は非常に重要な顧客ニーズになっていると私どもは捉えています。
これまではサーバー、ソフトウェアが動くハードウェアの中で冗長化をしたり二重化をして手を打つということをやってきた訳ですが、冗長化をするにはコスト・手間がかかる、それから仕組みが複雑になればなる程立ち上げの時間もかかるということで苦労してきたところです。
その中で効率よく手間をあまりかけず運用できるハードウェア製品、私たちのソフトウェアやパッケージをのせて運用できる製品がないかと探していたところ、金融系をはじめとするさまざまな分野で採用されているストラタステクノロジー社の製品で、産業向け・製造業向けとして新しいものが出たということで、是非活用させていただこうとなり、お声がけさせていただという背景でございます。
松本 まさしく竹原社長が言っておられるようになるべく手間がかからなくて、後の運用が楽なもの、simple・簡単であってprotected・保護されていてダウンしない、それからautonomous自律的に動くようなそんなインフラがあるといいんじゃないかということで、開発したシステムが「ztC™ Edge」というプロダクトラインでございます。
各種ソフトウェアを提供されているベンダーさんとアライアンスを組んでそれで最適な組合わせにして市場にお届けしたいとこんな考え方をしていたところ、今回アイキューブデジタル様からお声がけいただいたということで、ずっと社内で検討していたことと非常に近い領域だなという風に思いまして、是非ご一緒させていただいてビジネスプロモーションしながら最終的にはお客様にお役立てていただきたいと、そんな想いにいたった訳です。
協業におけるシナジー効果・意義
松本 ストラタスは今業界の中でも各社が取り組んでいる、デジタルトランスフォーメーションに対して是非役割を果たしたいなという風に思っております。また、そのことが日本の製造業様をはじめとする各企業がこれから成長していくことに大きなキーポイントになるという思っています。
安定稼働や運用工数の低減というインフラ領域で貢献するのはもちろんですが、Y’s-SFのようなアプリケーションとしてお客様に有効な課題解決の施策を提供するというようなことと合わさって初めてお客様が価値を感じていただけるものという風に思います。
竹原 今回御社のサーバーをアプライアンスサーバーという形で組み合わせていただいてこれを商品化することでお客様はこの箱を入れるとこういうことが出来るんだということが明確にイメージとして湧きやすいということで提案がすごくやり易くなりました。
また我々はお客様と要件定義をして設計をして進めていくのですが、冗長化に必要な設計は複雑でたくさんの人を介することになります。それによって想定しないリスクも生じます。これがストラタステクノロジー様の「ztC™ Edge」ならば、冗長化の機能が検証された製品ですので、私たちとしては非常に導入をおすすめし易いというのも魅力的です。協業によるアプライアンスサーバーという売り方を中心に据えてこれをベースに「お客様がプラスしたいことは何ですか?」という話をスタートするというような形で進めていければ非常に協業の意味が大きいと考えております。
松本 まさしくそこのところは強調したいポイントで我々のサーバー製品で先ほど申し上げたように、なるべく簡単に導入が出来て、保護されていてダウンタイムを最小化して、それから自律的に稼働を援助するというような機能が検証されていて、お客様がすぐにそれを導入して効果を発揮出来るような形になる、つまりアプライアンスサーバーのような形で導入が出来るのは大変有効なことかなという風に思っております。
竹原 今回、一番最初にアプライアンスサーバーとして出すのがY's-SF WorkNaviEdgeというものです。これは日本語で言うと電子手順書という言葉で表現しているのですが、どんなに自動化を進めても人の手を使ってやる方が良い部分というのがどうしても残ってくる、その時にシステム上で色々な「次はこういう作業をするんだ」ということ指示を出して、それがベテランでも新人でも同じレベルの作業をしてその作業員が実施した作業が記録されデータとして残っていくという仕組みなんです。
竹原 電子手順書のアプライアンスサーバー化をスタートとして、MES(製造実行管理システム)、設備監視など、お客様にご好評いただいているパッケージを順次アプライアンスサーバーの形で広げていく予定です。立ち上げの期間がぐっと短縮できるということで、お客様をお待たせせず提供していけるようになるかなと思っております。
※Stratus、Stratusロゴ、ztC Edgeは、Stratus Technologies Bernuda Ltd.の登録商標または商標です。
※記載されている会社名、製品名は、各社の登録商標または商標です。
対談動画
アイキューブデジタル公式Youtubeチャンネルで対談の全編を公開中!
Profile
松本芳武 氏
日本ストラタステクノロジー株式会社 代表取締役社長
日本ストラタステクノロジーの社長で、戦略、販売、サービスおよびサポートを含む日本で展開する全事業を統括しています。過去には国内各種の経営職を経験し、テクノロジー分野における豊富な知識と経験を有しています。最近では日本の大手ディストリビュータの一社、シネックスインフォテック株式会社にて代表取締役社長兼 CEO を務めました。シネックスの以前は Hewlett-Packard にてアライアンス部長、エンタープライズ ストレージおよびサーバ事業部長を含む要職を務めています。
竹原正治
株式会社アイキューブデジタル 代表取締役社長
1995年安川情報システム(現:YEデジタル)入社。同社執行役員としてマーケティング部門を牽引し、AI・IoT製品の製品の拡販に携わる。米国YE DIGITAL Inc.CEOを歴任し、2020年より現職。
※経歴は、2022年9月時点のものです。